京都の水を飲んでみた
3月の京都旅行でお水を飲んだ際、嫌な臭いがしてビックリしました。無料の水なので、普通の水道水だったと思いますが、ホテルで飲んでも、他のお店で飲んでもやっぱり美味しくない。何でだろうと気になりました。
京都市水道局のホームページには
京都市の水道局のホームページを見ると、「おいしくて,安全・安心,そして安くて環境にもやさしい水道水」とありました。「安全」には同意しますが、臭いがする水は「おいしい」と言えるものなのでしょうか。平成29年度の京都市水道水と国内外のミネラルウォーターの味を比較したという試験、 京都市水道水が一番美味しかったという結果になったとありますが、どんな条件だったのか気になります。
臭いの原因
不味く感じる理由の一つであるカルキ臭
カルキ臭の主な原因は、水道水に含まれている塩素によるものであり、水道水は法律(水道法)で殺菌のため塩素消毒が義務付けられていると水道局ホームページに記載されています。水道法では蛇口(給水栓)で0.1mg/リットル以上の遊離残留塩素を検出するとありますが、実際に水道水ではどれくらい検出されているのでしょうか。
京都市の残留塩素
京都市の水道水の水質検査結果によると2021年1月の遊離残留塩素は0.5または0.3mg/リットルでした。
おいしい水の残留塩素の目安
おいしい水研究会(当時:厚生省)が示した「おいしい水の水質要件」によると残留塩素は0.4mg/リットル以下とあり、遊離残留塩素0.5mg/リットルの場合、カルキ臭が強いといえそうです。琵琶湖の水を利用しているのでしっかり塩素で消毒することが必要なのでしょう。
水道代が安い自治体の残留塩素
他の地区の残留塩素はどうなのか気になり、2020年度の全国水道料金が安い自治体の水質検査結果(遊離残留塩素)を見てみました。
1位の兵庫県赤穂市は、遊離残留塩素としての数字が見つけられなかったのでデータはありませんが、ホームページに概ね0.2mg/リットル以上を保持するようにしていると記載がありました。
2位の静岡県長泉町は、2019年9月の遊離残留塩素は0.15mg/リットルでした。
3位の静岡県小山町は、2019年度の遊離残留塩素は0.22から0.36mg/リットルでした。
1位の赤穂市は、水質の良い河川と地下水、2位と3位は地下水や湧水を水源としているので、美味しい水が飲めるのではないかと思います。人口2万から5万程度の自治体と人口146万人プラス多くの観光客を抱える京都市を比較するものではないですが。
臭いの主な原因はカルキ臭なのか
水が綺麗と思われる地区でも一定の塩素消毒は行われるため、意外に遊離残留塩素は高い印象でした。カルキ臭が京都の水の臭いの主な原因なのかは、よくわかりませんでした。3月は生臭さも混ざっていたのかもしれません。ちなみに水道水の生臭さ、かび臭さは琵琶湖で発生する植物性プランクトンの増殖によるものだそうです(京都市の水道局のホームページより)。琵琶湖の水を利用する場合、ある程度の臭いは仕方ないのかもしれませんね。
もちろん、生臭さ、かび臭さによる人体への影響はありません。水道局でも活性炭等を使った対策を行っていますが、安全な水を安く大量に供給する使命には限度があるでしょう。気になる場合には、沸騰してから蓋をとって5~6分程度煮沸すると臭いが取れます。ただし、一度煮沸した水は消毒効果が無くなりますので早めにお使いください。
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